マンション管理適正化法について

「マンション管理適正化法」という法律をご存じでしょうか。マンションの維持管理に関わる業務は、本来、区分所有者全員の集合体である管理組合が行うものですが、ビル管理や、建築や設備などについて経験や知識のない素人さんの集まりである管理組合が行うには難しいので、それらのプロである管理組合に管理業務を委託してやってもらうことが一般的です。しかし、かつて、プロである管理会社が、素人である管理組合が知らなかったりわからなかったりすることをいいことに、管理組合の不利になるような契約を結んだり、管理組合から預かった管理費や修繕積立金といったお金を使い込んだり、不動産バブルが崩壊し、倒産した際に管理組合のお金が戻らなかったり、といったトラブルが発生していました。そこで、素人である管理組合には国や地方自治体から情報提供や支援を行う仕組みを作り、プロである管理会社には規制や罰則を設けて管理組合に不利になることができない仕組みを作ったのが「マンション管理適正化法」です。

 そして、この「適正化法」の指示するところにより、マンション管理規約のひな形である「マンション標準管理規約」や管理会社との管理業務委託契約のひな形である「マンション標準管理委託契約書」が制定され、多くのマンションの管理規約や管理業務委託契約はそれに基づいて作られています。